エッセイ

大好きな「はてしない物語」の一部あらすじや感想。ネタバレあり

わたしが人生において、何度も読みたいと思う本の中の一冊。

ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」

初めて読んだのは、二十歳くらいの時。友人に借りたのです。

美しいあかがね色の装丁。
ヘビがお互いのしっぽをくわえている模様。

主人公バスチアン・バルタザール・ブックスが読んでいる「はてしない物語」そのものでした。

【登場人物抜粋】
バスチアン→物語全体、しかし主に後編の主人公。おでぶちゃんでのろまな男の子。いわゆるコンプレックスだらけで、いじめられっこ。本を読んだり、物語を作ることが大好きで得意。
アトレーユ→緑色の肌の少年。主に物語前半の主人公。
バスチアンが読むことになる「はてしない物語」の舞台ファンタージエンに住む。
とても勇敢でまじめ。
アルタクス→アトレーユの愛馬。しゃべる。
幼ごころの君→ファンタージエン国の女王。
謎の病気に臥せっている。また、ファンタージエンに起きているおかしなことを解決するために、アトレーユにアウリンというおしるしを託し旅立たせる。
フッフール→幸いの竜。白い。アトレーユと出会い一緒に旅をする。
アイゥオーラおばさま→終盤に出てくる。すべてを赦し包み込み、無償の愛をバスチアンに与える。頭に美味しい果物がたくさん生る。

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お気に入りのシーン※ネタバレだらけ

【アトレーユの愛馬アルタクスが、憂いの沼に沈んでいくシーン】

最初に号泣したシーン。

憂いの沼に入ると、ひどく憂鬱になって生きる気力を失ってしまいます。
「もうだめです。この憂いには耐えられません。わたしは死にたいのです。」
アルタクスは沼にどんどん沈んでいきます。

アトレーユはアウリンのおかげで憂いからも守られているのです。

「ぼくはおまえを放さない、アルタクス。沈ませるものか。」
アウリンをはずして与えようとしますが、アルタクスはそれを拒否します。

「そのおまもりはご主人様に授けられた物です。わたしをおいて、一人でいらっしゃらなくてはならないのです。」

そして、この後の言葉もたまりません。

「最後のお願いがあるのですが、かなえてくださいますか?お願いですから、はやくいっておしまいになってください。わたしの最期を見ていただきたくないのです。」

今そのシーンを読みながらこの文章を書いているのですが、胸が締め付けられます。
アルタクスーーーーー。泣
なんてけなげな馬なのでしょう。いとおしい。

何度読んでもこのシーンで交わす二人の言葉は美しいと思います。
とても切なくて悲しいのですが、美しい。

もちろんすべて抜粋はしていませんので、ぜひ実際に読んで確かめていただきたいです。

ちなみにこのシーン、物語全体で言うとほんとうに序盤。

この本はとんでもないな、と、このシーンを初めて読んだ当時は衝撃を受けました。

【変わる家の話全般】

序盤のシーンかと思いきやいきなり終盤のシーンです。

アイゥオーラおばさま!!!!!!大好きです!!!

つらいことがいっぱいだったわね。
いい子だったにしろ わるい子だったにしろ
あるがままでいいのです。
だって あなたは
遠い遠い道をきたのですから。

このシーン初めて読んだとき号泣しました。
自分の人生も全部、まるっと許されたきもちになったからです。
いまだに変わる家の章だけ読み返すなんてこともします。
アイゥオーラおばさまの愛はあたたかい。

バスチアンは、幼ごころの君から望みをなんでも叶えられる力をもらいました。

その力を駆使し、どんどん天狗になってしまったバスチアンは
とうとう大切な友人であるアトレーユさえも傷つけてしまったのです。

たくさん、よいこともわるいこともしてしまったバスチアン。

でも、悪気があったからそうしたわけではないのです。

バスチアンは、赤ちゃんの頃のように、自由に無邪気に愛をめいっぱいもらいます。

変わる家でのバスチアンの変化は、草木の生長のようにとてもゆっくりで、でも確実でした。

願いを叶えるごとに、人間界での自分の記憶をひとつひとつ失っていくので、
変わる家を離れる時ー最後の望みに気づいた頃ーには、とうとう自分の名前しかわからなくなっていました。

バスチアンの最後の願いとはなんなのか?
それは本を読んでお確かめください。

はてしない物語の感想

世に語り継がれる名作って、言いたい事は同じな気がします。

オズの魔法使いも、幸せの青い鳥もそう。

ないものねだりして、ああだったら自分は幸せなのに、とか捜し求めるけど、
本当の幸せってすでに自分の中にあるんだなって。

でもそれに気づくプロセスは人によって違って、悲しいこと辛いこと嬉しいこと楽しいこと、いろいろある人生。

それがそれぞれのはてしない物語として広がってるのかなって。

人間誰しもコンプレックスはあるけど、得意なこともある。

バスチアンは、ルックスや性格に自信がなくて、いじめられていました。
でも、物語を作ることや本を読むことが大好きだし得意。
その特技を生かして、ファンタージエンの世界でも活躍しました。

かっこよくならなくても、強くならなくても、人は生まれ持った物を生かしていける。

そんなことって、みんなわかっちゃいるけど、なかなか難しい。

自分への愛
家族への愛
友人への愛

それが詰まった物語だなと思います。

好きなシーン他にもたくさんあるんです。

変わる家の次の、採掘坑のところとか。
愛でいっぱいあたたかいところから一転して、孤独に淡々と自分と向き合わないといけないというギャップ。
愛に気づいたバスチアンだからこそ乗り越えられた場所だなと思いました。

ほんとに最後の最後の、泉のシーンとかね。
アトレーユとフッフールとの再会と別れに涙。
バスチアンとアトレーユは。。。ズッ友だょ。。。

とてもじゃないけどここでは伝えきれないんですが、わたしの人生のバイブルです。